症状・疾患
胃カメラ
- 食後に胃が痛む、食事を食べるとすぐにおなかがいっぱいになる、おなかが張る
- みぞおちがきりきり痛む、胸焼けがある、口の中が苦い、ゲップが多い
- 食事に関係なくずっと胃が痛い、黒っぽい便がでる、貧血症状(ふらつき)がある、
吐血したことがある - ピロリ菌が気になる方
- 胃がんが心配な方
胃カメラ検査では、胃に内視鏡を挿入することにより以下のような病気の病変を発見します。
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- 急性胃炎
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みぞおち辺りの痛みが継続する場合、急性胃炎が考えられます。
原因としてはアルコールの摂取や薬の副作用などがあります。
ストレスが原因となる心因性の例もあります。
痛みが出てから速やかに検査を実施し、内服治療に着手すれば症状は程なくして治まります。
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- 慢性胃炎
- 慢性胃炎とは、長期間にわたり胃炎が続いている状態のことです。慢性胃炎の最たる要因は、胃内部におけるピロリ菌の存在です。ピロリ菌により少しずつ胃粘膜を痛めつけ、何十年にもわたって炎症が広がっていくことで起こります。ピロリ菌感染は胃癌や胃・十二指腸潰瘍の原因として挙げられます。胃の内視鏡検査は胃粘膜の萎縮の程度の判定や、ピロリ菌の存在の予測に有用です。
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- 胃潰瘍
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胃潰瘍の典型的な症状としては、食後のみぞおち付近の痛みがあげられます。
胃に出血が起きている場合は貧血が起きたり、コールタールのように黒色の便が出たりします。
昔は有力な原因としては長らく暴飲・暴食などの生活習慣、また精神的なストレスが示唆されてきました。現在は、ピロリ菌が胃内に感染することが主な原因ということがわかっています。また、解熱鎮痛剤の服用によっておこる「NSAIDs潰瘍」も問題視されています。
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- 胃ポリープ
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胃のポリープには「胃底腺ポリープ」「過形成性ポリープ」「腫瘍性ポリープ」といった種類があります。このうち胃底腺ポリープは健康な胃の状態である人がお持ちになることが多いポリープです。
胃のポリープは大腸のポリープと比較すると内視鏡での切除は不必要なケースが多いものの、経過観察のためには胃カメラ検査が選択されます。
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- 胃がん(早期)
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日本人の胃がん罹患率は世界的に見ても高いことがわかっています。
そのほとんどのケースを引き起こしているのは、ピロリ菌感染によって起こる慢性胃炎です。慢性胃炎の段階で発見し、ピロリ菌を除菌すれば胃がんのリスクは下がるといわれております。
また、現在は早期の胃がんであれば内視鏡による切除が可能となっています。
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- 胃内部のピロリ菌の有無
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ピロリ菌は幼少期に感染し、長い時間をかけて胃炎や胃がんを引き起こします。
そのため、主だった症状が出ていない方や若い方も決して油断はできません。ピロリ菌検査や本格的な除菌治療を行う前には、必ず内視鏡検査が必要になります。
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- 逆流性食道炎
- 代表的な症状として胸焼け、ゲップ、呑酸症状(胃酸が口に込みあがってくる症状)があげられます。食道がんに発展することもあるため、早期のうちに内視鏡検査をはじめとするチェックを受けることが望まれます。
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- バレット食道
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逆流性食道炎が継続すると、食道の粘膜が胃の粘膜へと変化する「バレット食道」という病気が起こることがあります。
欧米では食道がんに発展することも多い病気です。食生活・生活習慣が欧米化している日本でもバレット食道、食道がんに移行するケースは増えていくと考えられています。
バレット食道に炎症が併発すると食道がんのリスクが高まるため、内視鏡による定期的な検査が必要です。
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- 食道がん
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食道がんは上述したようなバレット食道から発展しておこるほか、アルコール摂取や喫煙も原因となります。多くの症例では、「胸がつかえる感覚」によって罹患が発覚します。
ごく早期の食道がんであれば、内視鏡による切除が可能です。
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- 十二指腸潰瘍
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十二指腸潰瘍はピロリ菌感染によって起こるケースがほとんどです。
ピロリ菌感染がある場合は除菌治療が一般的です。食生活の改善をはじめとする生活習慣指導も行われます。
大腸カメラ
- 大腸がん検診でひっかかった
- 血便がある
- 慢性的な便秘や下痢でお悩みの方
大腸カメラ検査では、大腸に内視鏡を挿入することにより以下のような病気を発見します。
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- 早期大腸がん
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大腸がんは2014年の調査において男性死亡原因の3位、女性の死亡原因1位になっている危険な病気です。
今後は男女ともに死亡原因の1位となることが予想されています。
一方で、早期の大腸がんは目立った症状がないため、進行するまで放置されてしまうことも少なくありません。
大腸がんは多くの場合、前段階としてポリープから始まります。
内視鏡で早期大腸がんを発見できれば、進行大腸がんに発展する前に切除可能です。
健康診断で実施される便潜血の検査では早期大腸がんの有無ははっきりわからないことがあるため、便潜血検査が陰性でも一度大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。
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- 進行大腸がん
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大腸がんが進行すると、大腸の壁の深くにまでがんが侵入していきます。
他の臓器やリンパ節への転移も起こり得る危険な状態です。死亡リスクも一気に高まります。
日本における大腸がんの発生数・死亡者数増加の背景には、食生活の欧米化が起因しているといわれています。
脂質の摂取を抑え、食物繊維を十分に摂取する食生活への切り替えが大切です。
また、定期的な内視鏡検査で、進行する前のポリープを早めに見つけることも重要です。
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- 大腸腺腫
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大腸粘膜にできた良性の腫瘍は大腸ポリープと呼ばれます。
この時点ではがんに発展していないため、内視鏡治療で切除すれば大腸がんへの進行を食い止めることができます。
放置すると徐々に大きくなり、癌化する危険性があるため、小さい大腸ポリープも決して油断はできません。
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- 大腸憩室症
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大腸カメラ検査では、大腸内部に「えくぼ」のようなくぼみが発見される場合があります。
これは、大腸憩室症と呼ばれる病気です。一度出現した憩室は、原則としてなくなりません。
この病気自体は症状を伴いませんが、くぼみに炎症や出血が起きることがあります。食生活や便通の改善により憩室生成・増加の防止に取り組むことが大切です。
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- 潰瘍性大腸炎
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潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症が起きる慢性的な疾患のひとつです。
粘膜がただれる「びらん」が出現し、進行すると潰瘍になる場合もあります。
正確な原因については不明のままであり、国の特定疾患に指定されている病気です。
発症すると、下痢・血便・腹痛といった症状が慢性的に継続します。
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- 直腸カルチノイド
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直腸カルチノイドは直腸に腫瘍ができる病気のひとつです。
カルチノイドは「がんのようなもの」を意味します。
大きく成長した場合はリンパ節、肝臓への転移が考えられるため、内視鏡検査による早めの発見・切除が求められます。
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- 直腸潰瘍
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直腸潰瘍は直腸下部に潰瘍が起きる病気です。
通常、自覚できる症状はありませんが、潰瘍から出血した場合は血便や貧血が起きることがあります。
原因ははっきりとわかっていませんが、高齢の方や栄養不足傾向の方の発症例が多く見られます。
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- 直腸脂肪腫
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大腸脂肪腫は、「脂肪のかたまり」でできた腫瘍が大腸内部に出現する病気です。
発生頻度は約3%と、あまり一般的な病気ではありません。
成長すると大腸をふさいでしまうこともあるため、定期的な内視鏡検査で経過を観察していく必要があります。
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- 大腸メラノーシス
- 大腸メラノーシスは、大腸粘膜の一部が黒く色素沈着する病気です。 ほとんどは便秘薬に含まれている「センナ」「大黄」という物質によって発症します。 この病気自体に症状はないため、通常は内視鏡検査によってはじめて発見されます。